2005年課題曲

今日、手元に2005年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のCDとスコア集が届きましたので、早速何回か聴いてみました。当然の事ながら、十分聴いている訳ではありませんが、聴いた印象を各曲毎にまとめてみたいと思います。

・課題曲1:パクス・ロマーナ(松尾 善雄)

課題曲では最近おなじみの松尾氏の作品。お得意のマーチと言う事で、例年通りの爽やかな作風と思っていましたが、1995年の課題曲「ラメセスII世」に若干似た感じで、曲調としては荘重な軍隊行進曲のような趣があります。編成ではTubular-bellsとTam-tamが指定されており、ない場合はVibraphoneまたはGlockenspielでの代用が指示されています。
部分的には、VibraphoneとGlockenspielを重ねて演奏するのが望ましいようにも感じられます。全体的には、縦のラインをいかにして合わせるかが演奏の課題になるでしょうが、スコア自体は比較的シンプルで分かりやすく書かれているように見えますので、演奏表現については取り組みやすいように思います。大編成向け。第15回朝日作品賞受賞作品。

・課題曲2:マーチ「春風」(南 俊明)

大編成向けに書かれていますが、技術的に唸る部分は少なく、自然な流れで爽やかに演奏出来そうな作品です。主旋律と対旋律について、特に抑揚の指示がありませんが、どれだけ歌い込めるかがポイントになるような気がします。

・課題曲3:ストリート・パフォーマーズ・マーチ(高橋 宏樹)

小編成向けに書かれていますが、前半は主旋律のリズムが比較的転びやすく、旋律の抑揚が付けにくい音形が多いように感じられます。エンディングはレハールの「メリー・ウィドゥ」セレクションの一部分と似ている部分があります(笑)

・課題曲4:サンライズマーチ(佐藤 俊介)

1982年に同名の課題曲がありましたが、そちらとは何の関係もありません(笑)。作曲者は何と現役高校生だそうですが、よくもまあこんな風に作れるものだな、と感心します。…楽曲に関係ないですね、スミマセン。曲そのものはごくごくオーソドックスで、大半の部分は技術的にも特に難しくはないようです。ただ、旋律を棒吹きすると、かなり単調になるようですので、その分表情を付けていく必要はありそうです。

・課題曲5:リベラメンテ 吹奏楽による(出塚 健博)

中学・高校部門には全く縁のない課題曲です。はっきり言って難しいです。「リベラメンテ」は「自由に」のイタリア語だそうで、不安定な音楽に真剣に取り組むことで、音が自由に旋回すると言う、妙な「自由」がテーマになっているようです。
全体的にオケが細かく書かれており、メンバー全員の演奏能力が高くないと、曲自体が破綻するように思われます。

…PWOではどの曲を採用するでしょうかねえ。