今日はPWOの年内最後の練習でした。練習後に忘年会がありましたが、ボクは明日のクリコンのために、若吹さんにお邪魔して練習してきました。帰って来たら、先日申し込んでいた、課題曲のCDとスコアが届いていました。いわゆる2003年度全日本吹奏楽コンクール課題曲ってやつです。まだ課題曲を聴いた事のない方のために、ボクが感じた印象をつらつらと。
課題曲I:ウィナーズ-吹奏楽のための行進曲
大編成向け課題曲その1です。大雑把な印象としては、去年の課題曲「栄光をたたえて」の序奏を大分引き伸ばして難解にした感じです。マーチでオーソドックスに用いられるリズム・旋律・対旋律の組み合わせよりは、パート内で複数の動きが絡む事が多く、サウンドは全体的に薄めに書かれています。ちなみに、<>と言う発想記号や、ossiaが多用されています。前者は合唱の世界では「三善アクセント」と呼ばれたりするもので、いわゆる旋律の中で力点を置く事の指示として用いられるものです。ossiaは代替の演奏法を示す時に用いられます。「~が出来ない時には~」と言うヤツです。作曲者の考えとしては、教育的配慮を施しているつもりか、演奏者を信頼していないかのどちらかでしょう(笑)
課題曲II:イギリス民謡による行進曲
大編成向け課題曲その2です。いわゆるオーソドックスなマーチに近く、曲の構成も把握しやすくなっています。イギリス民謡…とありますが、序奏にややホルストの香りこそするものの、それ以外はあんまり関係ないような印象です。過去の課題曲をご存知の方であれば、「ターンブル・マーチ」「スター・パズル・マーチ」「レイディアント・マーチ」を足して3で割ったような曲です。全体的には「ターンブル・マーチ」に酷似しているような気がします(汗)
課題曲III:行進曲「虹色の風」
小編成向け課題曲その1です。作曲者が松尾善雄先生と言う事で、一番聞き馴染みしやすい曲であろうと思われます。今まで松尾先生が作曲された課題曲のマーチを把握していれば、数回聴くと大体の感じは掴める事でしょう。形式としては、マーチ「ハロー!サンシャイン」の構成を踏襲しています。トリオの2フレーズから再現部までの所がリピートされているのが唯一の違いです。ちなみに、EuphoniumはT.Saxと組んで独自の動きをしていますので、個人的にはオイシイ曲と認識しています。
課題曲IV:マーチ「ベスト・フレンド」
小編成向け課題曲その2です。曲の印象としては、「アップル・マーチ」と「K点を超えて」を足して2で割った感じです。分かりやすい曲ではありますが、主旋律と対旋律が似たような音域で動いておりますので、バランスに注意しないと、どっとがどっちだか分からなくなり、とっ散らかってしまう危険性があります。旋律そのものは曲名に即した通り、旋律にちょっっと切ない色も付いています。
課題曲V:マーチ「列車で行こう」
大学・職場・一般部門向け課題曲です。この曲は、マーチぢゃあありません(笑)マーチ→前に進む→列車で走る、と言う拡大解釈に基づいた、描写音楽です。あえて似ているマーチがあるとすれば、「カタロニアの栄光」くらいでしょうか。しかし、何とも意味不明に幾何学的な展開をするので、曲の魅力としてはあんまりないです(爆)小・中編成で演奏出来るようには書かれていません。この曲で自分達の驚異的な技術を見せびらかしたいとか、この曲を音楽として完成されたものにする自信や意気込みをお持ちの団体さん以外には、正直おすすめしません。
ちなみに、PWOの課題曲は決まりました。何かは…いずれのお楽しみ♪